妖精譚

基本気まぐれ不定期でラノベなどの名言pickや解説、感想を投稿します

ダンまち外伝 ソードオラトリア 9巻 概要 解説 名言(前半)

初めての感想投稿になります、今回はソードオラトリア 9巻の感想を述べるわけですが、小さくまとめるのではなく、章ごとに目次を立て感想を述べる形にしようと思います。

 

 

 

プロローグ(妖精の追憶)

ラキア王国との戦争しているということはダンまち本編でいうと時系列的には8巻に当たりますね。

 開始早々ロキファミリアにコテンパンにされているラキア王国軍ですが、主神はアレスということで、軍神としても有名なアレスですがこれでは面目が立ちませんね…。

「べートとリベリアの会話にて」

べート「あの女も随分使えるようになったな…」

 初めはレフィーヤを罵倒していたべートが彼女を認めるような発言をしてるのが嬉しいです(*^_^*)

リヴェリア「焦れば焦るほど自分を追い込む。そして自分を傷つける。…あの娘もそうだった」

 人は苦しみから立ち直った時、真に成長します、それが冒険なのだと自分は思っています。

「アイズの過去描写」

「少女を助けてくれる『英雄』など、最初からいなかったのである」

 辛い過去が在るみたいですが、それがアイズ自身を強くしたことは変わらない事実です、自分なら自分を強くしてくれた憎き過去さえも糧であったとして受け入れて感謝さえしてしまう気がします。

 

1章(陣営での1幕)

 ピンク色のエルフとして活躍していたレフィーヤですが、レフィーヤを活躍させることもフィンの思惑だそうで…フィン程の頭脳があれば神以上に神の役目を果たせそうですね。

 

 レフィーヤはあまり自分の功績を認めず謙遜していますが、ここはとても共感できます、恐らく妥協し喜ぶ事が自分を弱くする事を分かっているのでしょう、この程度で慢心していてはいつまで経っても目標に追いつけないというレフィーヤの一途な想いが滲み出ています。

「都市最強魔道士の後釜」という語に前は萎縮していたレフィーヤですが、今は自分に自信が持てているようでいずれはこの語に当てはまることでしょう。

 寝る間も惜しんで努力するしているレフィーヤはアイズ達幹部とよく行動を共にしているので足で纏いになりたくないのでしょう、早く強くなりたいという想いが現れています。

そしてアイズの過去についての話へ...。

 

追憶1章(少女の始まり)

 いきなりロキとの契約シーンで始まりました、つまりロキファミリアに加入後の過去と言うことですね。生い立ちについての過去が語られるのはまだ先のようです。

 

「ギルドでの冒険者登録」

いきなり【神聖文字】で書き始めるアイズですが、一体どこで知ったのでしょうか。

 名前と歳以外記入されていない登録紙、これはアイズが自分の意志で隠したのか、リヴェリアがそうさせたのがどちらでしょうね。

リヴェリア「詮索するな、それだけしか言えんこの発言から恐らくリヴェリアがそうさせたのでしょう。

 登録を済ませてすぐダンジョンへ向かおうとするアイズ、この時点で既に強さを求め、強さに飢えていることが窺えます。

 

「ギルド職員という仕事」

 ギルド職員のローズとリヴェリアの二人になった途端、ローズは隠していた文句を投げつけてきます。

それは多くの冒険者の死に触れてきたギルド職員がする非難であり、本心であった」

 ギルド職員は冒険者とのやりとりをしていく内に自然といろんな感情が芽生えていくでしょう、しかしあっけなく死んでしまう冒険者も居て、心を強く持たないとやっていけない職業です。

 大半のギルド職員はそれが辛くて情が移らないようにしていますが、中にはエイナのように死なせない努力を惜しまない人物もいるので、やりがいは大いにありそうですね。

 

「初ダンジョン」

 アイズの最初の防具は小人族(パルゥム)用ということで、やはり7歳にして冒険者になる者はそういないことが分かります。

強くなる、強くならなきゃいけない、悲願のためにも

もうアイズを守ってくれる者は誰もいない

 「悲願」が何を指しているのかは不明ですが、守ってくれる者は誰もいないと信じ込んでいることから、昔は自分を守ってくれる存在が居た(おそらく父親?)だが今はそれがいない、だから自分で自分を守れるようになる。という信念があるのでしょうか...。

あれほど怖かった武器を手に取り...

 昔は怖かった、けど今は確かな信念がある、アイズは7歳にして辛い想いを乗り越えているようです。

少女が踏み出した『始まり』の一歩

 初めてモンスターを倒したアイズ、ですが彼女はこれを通過点としか捉えていないようです。

 目標を高く持つことはいいことです、しかし挫折がつきもの、大半の人は今の実力や成長の過程を想像できず目標を区切ったりしますがアイズは違いました。英雄の背中を見て育ったからか、アイズは既にセンスを持っているようです。

 

「執務室にて」

 アイズとロキのやりとりを創造するととても微笑ましいというか、アイズを創造するととても可愛らしい...。

フィン「『力が欲しい』か...人のことはあまり言えないけど、あの娘の欲求はあまりにも直線的で、危ういものだよ」

 一つの目標に向かうことはいいことですが、その為にどう努力するかが肝心ですね、アイズにとって強くなる=修行 みたいなものなのでしょう、視野が狭まると他のことに躓いてしまいます。

ウェポンブレイカー

 今でも武器を壊して鍛冶師を困らせているアイズ達ですが、アイズは昔から特にそれが顕著なようですね。

スキル

 Lv,1の冒険者らしからぬモンスターの倒し方をしたアイズ、それはスキルによるもののようですが、エアリエルではないようですし、どんなスキルなのでしょうか、ベルの憧憬一途(リアリスフレーゼ)と似たようなものな気がします。

教育係

 アイズには精神の鍛練が必要という判断からリヴェリアが教育係になることに、「誰がママだ」というセリフはこの日生まれたんですね。

リヴェリアまずスキルを制御するすべ....感情を統べる心を身につけなくてはならない。今あの娘に必要なのは、肉体ではなく、精神の鍛練だ」

 

「フィンとの実践練習」

「君に足りないものは技と駆け引き。後は圧倒的に知識だ」

 アイズがベルとの訓練で言った言葉はフィンが発端だったのですね。

模擬戦を通じて彼我の距離を実感させられた今、フィンの言葉の重みが理解できる。いかに自分が無鉄砲で、無謀で、視野が狭かったを。

 アイズには言葉で教えるよりも力で教える方がいいと考えたらフィン、彼の策略通りアイズは納得しましたね、確かに自分より強いか分からない相手に上から目線で指図されても素直には聞けません。

 しかし見た感じアイズはまだ柔軟性があると言えます、頑なになりすぎていると人から学ぶということが出来ないほどに視野が狭まってしまいますから。 

 

「仲直り」

 リヴェリア「アイズ…私も熱くなりすぎていたようだ。至らない身で、すまない」

 素直にまだファミリアに入ったばかりのアイズに謝ることができるリヴェリアは寛大な心をお持ちのようです。 

 

「成長したアイズ 」

 リヴェリア達の強さの秘密が少しだけ分かったような気がした。

彼女達は積み重ねてきたのだ。本当に沢山のものを。

  戦いの経験だけではなく、心理的なものも含め強くなるために必要のは戦いだけではないと学んだアイズ、これは大いなる進歩ですね。

2章(束の間の静穏)

「いたずらに被害を出しながらも攻勢打って出ない王国(ラキア)は、どうやらこの戦争を長引かせたいらしい。オラリオの戦力を都市外にとどまらせるために」

 こちらの裏を突いてくる敵の策略をいとも簡単に見破るフィン、彼はどんな経験を積み重ね今の頭のキレ、勘の良さを手に入れたのでしょうか...。敵からしたらたまったもんじゃないです。

 

「一途愛情」

レナ「私が殺されたと思ったベート・ローガは絶対に敵討ちをしようって誓っちゃって...うへへへ...これって愛だよね、愛!?ベート・ローガが私のことを好きすぎるっていう証明!!」

 ベートとレナのやりとりは結構好きなのでこの調子でがんばってほしいですね、自分は8巻でベートが一番のお気に入りキャラになりました。

でもほんとにあれは敵討ちそのものでしたよね...。

 

 

「妄想変態レフィーヤ!」

 お得意の妄想で我儘で子供っぽいアイズを想像して興奮しているレフィーヤ

レフィーヤ「えっと、あの、そのっ、りっ、リヴェリア様に昔のアイズさんに私が似てるなんて言われっちゃって、じっとアイズさんのことを見ていたというかっ...あ、あははははははは!」

 昔のアイズ という語に反応してバレるのでは...と思いましたが鈍感アイズ大丈夫でした。

 

フレイヤとロキの諍い」

ロキ「タンムズって子供、知っとるか?」

フレイヤ「・・・その子がどうかしたの?」

ロキ「質問を質問で返すなや、知っとるのか、知っとらんのか、言え」

 フレイヤが言い逃れできないよう釘を刺すロキ、怖い。

フレイヤ「貴方が何を言いたいのかわからないわ、ロキ。貴方の神意を把握できなければ、私も『知らない』としか言えない」

 それに全く動じず返すフレイヤも怖い。

フレイヤ「例えば、貴方の言うその子供が私の目に適ったとして...例えば、理由はわからないけれど何者かに狙われる身であったとして...そんな子供の居場所を、私が迂闊に喋ると思う?」

 もう例えではないような気がしますが、フレイヤも牽制をいれます。

 そして実はすぐそばに居たタンムズ、この先フレイヤファミリアがどう関わってくるのかが楽しみです。

 

「ベルとレフィーヤ」

ベルから喧嘩して出て行ったヘスティアを探していると聞いたレフィーヤ

レフィーヤ「貴方は私のこと何だと思っているんですかっ。確かに私は貴方のこと嫌いですけど、困っている人に力を貸す程度の心は持っています!それに見返りはちゃんともらいますからっ」

 ここがレフィーヤの良い所ですよね、嫌っている人でも困っていたら助けてあげられる、この心の寛大さはリヴェリア譲りでしょうか、今までも嫌みを言うのは基本的に心の中だけでしたもんね。

そうだ、これはアイズと同じ。

ただの善意ではない打算。もしヘスティアを見つけて教えてあげられたら、成長の秘訣を聞いてみよう。レフィーヤは無理やり建前を作って、ベルを助けることにした。

 ツンデレ...なんですかね?自分を無理やり騙していますが、これは明らかに善意...。

ただこの後ヘスティアが誘拐されたと聞き絶叫するレフィーヤでした。

 

「追憶」

『危うさを秘めている』 『ダンジョンには護衛が要同伴』 『剣技には光るものがある』 『僕もガレスもつい叩いて鍛えすぎてしまう』『護衛がいるとはいえ半年でソロの10階層到達、凄まじい』

【ロキ・ファミリア】の記録書に目を通していたリヴェリアが見つけた昔のアイズについてのフィンの見解。

 半年で10階層が凄まじい、ならベルの一ヶ月ほどで10階層到達はとんでもないことがわかります。

ガレスの手には鞘に納められた一振りの短刀があった。

彼の手が引き抜くと傷だらけの剣身があらわになる。うっすらと波紋が走った珍しい構造。汚れが目立ち、年月を感じさせるものの、未だに衰えぬ刃の輝きから十分な業物であることがわかる。

 話の流れから察するに昔のアイズが使っていた剣なのでしょう。

 

追憶2章(汝は剣なりや?)

「まだ足りないもの」

リヴェリア「フィンたちとの訓練に意欲的に取り組み、座学にも励んでいる。心の制御も大分身に着けているが...あの娘は己の体を顧みない。鍛練、鍛練、鍛練、その一辺倒だ」

フィン「なまじ戦い方を身に着けただけ、多少の無理も聞くようになってしまったからね。迷宮探索を許可したのは尚早だったかもしれない」

 体を休める暇があったら鍛練に励んで早く強くなりたいのでしょう、このままではまだいつか躓いてしまう生き方をしています。

心身の酷使を厭わないアイズの現状。リヴェリア達の頭を悩ませているのはそれだった。

第一級冒険者の教えを貪欲に取り込もうとする姿勢は非の打ちどころがないのだが、いかんせん前のめりに過ぎる。端的に言ってしまえば『強くなること』以外の事柄に少女は一切関心を払ってないのだ。

 強くなること以外に興味がない、つまり視野が狭く育ったということ、アイズの天然はこれが遠因していたのかもしれません。

フィン「今、アイズが下級冒険者達の間で何て呼ばれているか、知っているかい?」

リヴェリア「何だ?」

フィン「笑えるよ。...『人形姫』だってさ」

リヴェリア「全く笑えん」

 人形姫という名はあまりいい印象を持たれるとは思いませんね、フィン達からすればファミリアの印象にも関わってきますからね。

 

「そのころアイズは......」

 力にかまけて過剰殺戮を連発していた頃とはまるで違う。無駄な動きや力を省き、速さと鋭さをもってモンスターを屠る。敵の情報をもとに的確に弱点を突き、頭部ないし胸の『魔石』に斬撃を叩き込んでいく。

 勉強を通して、効率よく敵を倒すことを学び、効率よく強くなれると考えたアイズ、これが速い成長の真相なのでしょう。

「若いもんには失敗させろ。そして学ばせろ」

ガレスのその言葉の本質をアイズは理解こそしていなかったが、自分には都合がいいと、そう解釈している。

言葉の通り今のアイズには失敗させて学ばせる方法が一番手っ取り早いと思います。ですがなかなか失敗しないアイズ、『恩恵』とセンスの相乗効果でしょうか。

『人形姫』。

それは返り血を浴びてもなお表情一つ変えず、ひたすらモンスターを狩り続ける少女を同業者が嘲り、戦いて付けた渾名だった。この半年間、感情を削ぎ落して徹底的に怪物どもを殺戮する【ロキ・ファミリア】の新団員の存在は、『ギルド』や下級冒険者の間では噂になっている。同時に今年の大型新人冒険者候補の最有力だとも。

人形姫という名は良い印象も悪い印象も持たせていたようですね。ギルドとしては強い冒険者が生まれるのはありがたいことでしょうが、同じ冒険者からしたら嫉妬などを向けられる対象になるかもしれません、当の本人は気にしそうにないですけどね。

 アイズ「武器も、特注品(オーダーメイド)が欲しい。壊れないやつ」

ガレス「下級冒険者が笑わせるわい。せめて得物を壊さない使い方を身に着けてからにしろ」

道中、警戒を払いながらガレスと打診という名の会話を交わす。本命の要求を取り合ってもらえず、アイズは今度こそ不満をあらわにした。

 壊れないやつ、とは不壊属性(デュランダル)のことを指しているのでしょうか、アイズが不壊属性を知ってない気がするので(外の知識に乏しいため)ただ耐久性の高い武器のことだと思いますが。

 そしてガレスはアイズに強い武器を持たせるにはまだ早いと考えているのでしょう、高い武器を買ってまたすぐ壊されてもたまったもんではないという懸念か、強い武器を使い自信をつけすぎてまた無理することへの懸念か、あるいは両方ですかね。

ガレス(儂等の前では、年相応の顔をするんじゃがのぅ...)

 少なくともガレス達には気を許しているということですね、自分に強くなる術を教えてくれる人たちという印象からくる尊敬心からでしょうか。

ガレス「『キラーアントの大群!』仕留めそこなった冒険者が『怪物進呈(パスパレード)』でもしたか!」

襲われる冒険者達を助け出すため、アイズはリヴェリア達にいいつけられていた心身制御を破った。己の能力を十分に解放した少女が殺戮の使徒と化す。

 冒険者を助けるため、とありますが今のアイズに道徳心があるのでしょうか、そう考えるとアイズは力を抑えるのに耐えきれず本気で戦ってみたくなったのではないでしょうか。

「…戦闘人形(キリングドール)」

「人形姫…いや、『戦姫』」

 二つ目の渾名の誕生です、人形姫よりは聞こえはいいですが…。

 

「説教 」

リヴェリア「成長しているからといって思い上がるな!力を中途半端につけたこの時期に、冒険者は最も命を落とす!しかも私達の言いつけを破って『スキル』を使ったそうだな!依存せず平時の能力で戦うことを心がけろとあれほど言っただろう!」

 先程も言ったように自信を下手に持ちすぎて勢い余って死んでしまうなんてありがちでしょうしね。

スキルとは一体何なのでしょうか、ここまでハッキリしていない『スキル』ですが…。

 

アイズは時間を全て修練に費やしていた。食事は最小限、フィン達との模擬戦に少しでも枠を当て、暇さえあれば必ず素振りをしている。早い起床のため恐らく睡眠さえ削っているだろう。疲労も蓄積されている筈だ。

 体を休めなくては訓練中も調子が悪くなってくる筈なのですが、しかもまだ歳も幼いのに痩せ我慢なのでしょうか…。

 

フィン「アイズ...僕もリヴェリアと同意見だよ。今の君に強力な武器なんて与えられない、自分のことはおろか、いつも想ってくれている他人のことにも気づけないほど、目が曇っている君にはね」

 身近な人間の気持ちにほど気づきづらい、アイズはまだ人情が理解できるまでに至っていないということでしょうか。

アイズ(何故わかってくれない。自分がどれだけ悲願を求めてやまないかを知っている癖に。

 アイズにとっては邪魔されているような感覚だったのではないでしょうか、親の愛情を知らずに育った訳では無さそうなのですが、アイズがリヴェリアをどう捉えているかでしょうね。

 

「家出の先で」

雨宿りの先で椿と出会うアイズ、そこで武器を作ってほしいと頼み込むアイズですが...

椿「何故、手前に作ってほしいなどと言う?」

アイズ「す、すごい鍛冶師だと思うから...!」

椿「何故、剣が欲しい?」

アイズ「私の使う剣は、全部壊れてしまうから...だから...壊れない剣が欲しい...!」

椿「剣を手に入れてどうする?」

アイズ「強くなりたい」

 問答を通して何かを確認する椿。

椿「断る」

 最後の答えが間違っていたようですが、ここは考えても自分には椿の求める答えは、確信の持てるものでは思いつきませんでした。

 ただアニメ版ソードオラトリア 11話で椿とアイズの過去を懐かしむ会話があり、そこにヒントがありましたね。

 強くなるためだけに剣はあるのでない、剣を敵を倒す道具としてしか見ていない輩はすぐに死ぬ、自分をも顧みない、自分を一振りの剣としか思っていない輩に作ってやる武器はない、これが椿の見解でしょうか。

椿「それに、壊れない剣が欲しい、だと? おかしなことを言う」

 「まだ折れておらぬ剣なら、そこにあるであろう?」

アイズ(まだ折れていない剣?いつか、折れてしまう剣?私が...剣?)

 肝心なのは折れない剣ではなく、折れない信念ということか、

アイズを剣と捉えたとき、折れるまで使い続けるのではなく、手入れをして長く使えるようにする、ということか。

アイズ(核心を射抜くあの言葉が。自分が剣?人ではなく、武器?壊れゆく定めにある、いつか折れてしまう剣?)

アイズは急に自分のことがわからなくなっていた。見失っていた。そんなことはないと否定できなかった椿の言葉が、心を揺り動かしている

 椿という刃に、心を穿たれたアイズ、何が正しいのか、自分はどうすればいいのか、核心を突く言葉によって分からなくなっています。

 

「ガレスによる代弁」

ガレス「アイズ、浴場で身を温めたら、儂の部屋に来い」

ガレスの部屋で武器の手入れについて教えてもらうアイズ、ガレスは椿がアイズに何を言いたかったのか、即理解していたようです。

ガレス「モンスターの返り血を浴びて放っておけば錆びてしまうし、塵の一つでも付いておれば切れ味は鈍る。得物というのは頑丈そうで、その実繊細な代物じゃ」

「『武器は使い手の半身』。こんな言葉もある。儂等の手で半身を労わってやらなくては」

武器にも手入れが必要なように、己にも手入れをしてあげなければすぐに折れる。

ガレス「手もとの剣を見ろ。お主が使っていた得物じゃ。どこも傷だらけ...今のお主と一緒だ」

「椿の言葉は、そういうことじゃ」

アイズが理解を拒んでいた事柄が、手もとにある短剣と結びついて顕現する。

ガレスの言う通り傷を残した短剣。刃毀れも見受けられる。今も苦痛に喘いでいるアイズの『半身』。

 ここまでこれば理解できましたね。

 己を剣と例えた説明、あっぱれです。

ガレス「だから、大切にしろ。武器もお主自身も。それができて、初めて一端の冒険者よ」

 

「また一歩成長したアイズ」

その日から、アイズは夜になると剣の手入れをするようになった。

与えられた塔の最上階の自室で、明かりもつけず、窓からそそぐ月明かりに照らされながら、寝る前に毎日欠かさずに。ベットの上で、傷付いた剣身をなぞりながら。

 心に決めたことを欠かさずにできる愚直さというか一途なところはアイズの長所ですね。

強い武器が欲しいとも言わなくなった。ガレスが目利きをしてくれる得物を体の延長のように用い、苛烈な剣技と繊細な剣術を使い分けた。別れが来るその時まで付き合い、その度に何かを得たような気がした。

 

リヴェリア「その、なんだ...髪の手入れを、私にさせないか?」

アイズの方がまだ長いとはいえ、その後ろ姿は姉妹、あるいは母子のように似るようになっていた。

 

「最初の愛剣」

フィン「アイズ、君に武器を作る」

 薄っすらと蒼みがかかった美しい剣に、リヴェリアやガレスは感嘆し、アイズは言葉も忘れて見惚れた。

「剣の名は...《ソード・エール》」

アイズ「《ソード・エール》...」

天を衝く最初の愛剣は、その剣身を輝かせた

 これがガレスが懐かしんでいた剣だったのですね、強くなるために大切なことを理解したアイズ、あとは時を待つだけではないでしょうか。

 

最期に...

初めて感想?を書きましたが解説みたいになってますね、まだ前半ですがかなり長くなってしまいました、書くのもなかなか大変でしたが後半も書いていこうと思います。